届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「…尚吾と何かあったの?」

いつもの秀とは違って、冷たくにらみながらあたしを見ている。

「別に…何にもないけど?」

どれが原因だか分からないし。

あたしが勝手に距離を置いているだけ。

「ならいいんだけど…なんか、様子がおかしかったからさ。」

フウッと呼吸すると、少し落ち着いた雰囲気になった。

「気のせいじゃない?」

笑ってごまかした。

「そっか…尚吾とは、うまくいっているのか?」

「……急にどうしたの?うまくいくも何も、見たままだよ。」

「…………。」

秀は、黙ってうつむいてしまった。

あたしも、話すこともなく、秀の隣で壁にもたれて黙り込んだ。

「……なぁ、今でもアイツが忘れられないの?」

突然、沈黙を破ったと思ったら、忘れかけていた事をグサッと刺してきた。

「別に…なんで、急に霧生くんの話になるわけ?」

動揺を隠しながら答えた。

本当は、気になっていた。

あれからどうしたのかなって。

でも、考えたって霧生くんが見つかるわけでもない。

尚吾のことだけでいっぱいになっているのに。

霧生くんを思い出したら。

きっと、自分が崩壊しちゃうんだって思う。

「いや…尚吾とくっつかないのは、まだ未練あるのかと思ってさぁ。」 

「そんなんじゃないよ。」

クスッと笑ってごまかした。

だって、本当の事なんて言えないから。

「だったら、いいんだけどさ……じゃあ、ひとつだけ教えておくよ。」

ジッとあたしの顔を見た。

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