届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

58 うそつき


次の日-----

起きたのはお昼前だった。

さすがに昨日大泣きしただけあって、顔がパンパンにむくんでる。

湯船にお湯を張って、ゆっくりとお風呂に入った。

フウッと気が抜けるはずなのに、やっぱり霧生くんや尚吾の事を考えてしまう。

霧生くんが死んだなんて聞いても、実感なんか湧かないし。

お兄ちゃんが何かしたのかと思うと、あたしの事がバレるのも時間の問題。

尚吾は、まだ怒っているのかな?

顔合わせづらい…。

ずっと考えていたら、2時間近くお風呂の中で。

すっかりノボせちゃった。

冷蔵庫の中に入っていたスポーツドリンクを一気飲みすると、バスタオル1枚でバタンとリビングのソファに寝転がった。

天井がグニャグニャと動いていて。

おかげで、何も考えなくて済む。

30分も横になっていたら、だいぶ楽になった。

起き上がって、部屋に行くと着替えてメイクをして。

出かけようと携帯を手に取ると、サイドランプがピカピカと光っている。

「尚吾!?」

なんて淡い期待をしながら開いた。

『件名  美優(。^ω^。)

本文 -----

おはようです♪♪
昨日、尚吾さん帰ってきませんでした(T^T)』

誰???

美優って…。

一生懸命考えたけど、美優なんて思いつかない。

「美優、みゆう…み・ゆ・う…ミユウ…。」

早口言葉のように、何回も口に出した。

パッと閃いた。
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