届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

64 再会の雨


あのまま、お姉さんから連絡はなくて。

結局、尚吾の所に泊まるしかなかった。

お互い、別々のソファに寝て。

昼に秀がやってきて起こされた。

あたしは『G』に戻って、シャワーを浴びて着替えて遊びに出かけて。

てっきり『G』は昨日、ガサ入れされたから、入れないって思ったのに。

営業はできないけど、中には入れて。

夜には『G』の裏部屋にみんなが集まって騒いで…。

こんなふうに何事もない毎日に戻った。

あれから、数週間が過ぎようとしていた。

ホントなら忘れちゃうはずなのに。

どんなに騒いで遊んでいても、どこか心に隙間があって。

どうしても心に引っかかる事があった。

気になって仕方なくて。

自分でも、どうしてここまで気になるのか分らなくて。

ただ、それを知りたかっただけ。

あたしはあの人に会いたくて、あの警察署の近くのコンビニで待ち伏せしていた。

梅雨には珍しいくらい晴れていた昼間。

夕方から一気に雨が降り出した。

通り雨かな?

しばらくすれば雨なんか止むと思っていた。

それなのに、しつこく夜まで降り続くとは…。

傘を買うのも面倒くさいし。

あの人は休みなのかな?

こんなに待っていても仕方ない。

もしかしたら、ここを通らないのかもしれない。

ハアッと大きなため息をついて。

諦めかけて、駐車場で考えながらしゃがみ込んだ。

何分だったかな?

ほんの2~3分だったと思う。

急に目の前に男の足がピタリと止まった。

…なに!?

ゆっくりと足元から顔を見上げた。

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