届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

74 番号交換


旅行なんて、人生で初めての経験。

家ではいつも…留守番だったから。

温泉とか旅館とか。

産まれて初めての経験だった。

だから、3日なんてすぐだった。

海翔や森崎のことなんて忘れていたし。

お姉さんは最後まで、尚吾と来たかったなんてブツブツ言っていたけど。

おみやげ持って『G』に向かう途中だった。

♪♪~♭

尚吾からのメール?

『件名…

本文…

ミュウ知らない?』

ケンカでもしたのかな?

『件名 どうしたの?

本文

知らない。今『G』に向かっているよ。』

ちゃんと送ったのに、珍しく返信がこない。

不思議だったけど、もうすぐ『G』に着くし。

そのままメールは放置。

『G』のミュウの部屋に行くと、珍しく秀と尚吾が重たい空気漂わせて集まっている。

いつもだったら、あたしの部屋か尚吾のいるビルなのに。

「どうしたの?」

光景が怖くて眉は自然とゆがむ。

「ミュウがおとといの夜から帰ってこない。てっきり、唯と一緒かと思っていた。」

秀がため息混じりに言った。

「あたしは、お姉さんと温泉行っていたし。もしかして、どこかの男と遊んでいるんじゃないの?」

「それも考えたけど、連絡もつかないし。」

話しているのは秀だけ。

尚吾はうつむいたまま何も話さない。

「ケンカでもしたの?」

「全然。だいたい、尚吾がミュウとケンカしたことあるか?」

そういえば…。

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