届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

77 気づかない心


女の人と一緒なのを見てから、あたしは変だ。

海翔はまだ彼女じゃないなんて言っていたけど。

彼女ができたら、あたしはここにいられないじゃん?

もう、海翔と会えなくなるのかな?

不安で仕方なかった。

『早く帰ってきて…(TдT)』

なんて、可愛らしくメールなんか送っちゃっている。

まるで、海翔に恋しているみたいじゃん!?

あり得ないから!!

『ごめん。遅くなる。』

そうメールが返ってきた。

「ハア…仕事かな?」

なんて。

不思議なことに、少し落ち込んでいる。

どう返していいか分からなくて、そのまま夜になっちゃった。

ガチャ…

玄関が開いた。

海翔は遅いはずなのに。

まだ7時過ぎだよね?

「大丈夫か?」

そう言いながら、廊下のドアを開けたのは海翔。

「なんだ、帰ってきたんだ。」

ボケーっとテレビを見ながら、ポテトチップを食べているあたし。

「人が心配して早く帰ってきたのに、なんだよその態度。」

深いため息をつきながら。

ソファに腰を下ろした。

「だって、帰り遅いって言ったじゃん。」

深く眉をゆがませながら、ムッと口をとがらせた。

「何かあったと思ったのに、オレにだって、いろいろ都合ってモノが…」

チラッと視線を外しながら。

モゴモゴと口元を動かして。

言葉にならない言葉を話している。

「もしかして、あの彼女とデートだった?」

クスッと笑いながら、モゴモゴと口を動かしている海翔の顔を見た。

「そうだよ!!悪いかよ。」

眉をゆがませながら。

ジッとあたしをにらんだ。

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