届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「どうして、ここにいるんだ?」

「うん。今日はお兄ちゃんが勉強の為に、お父さんと一緒に院長回診を小児科回るって聞いて待ち伏せしちゃった。」

お兄ちゃんの白衣の裾を引っ張りながら。

ニッコリと顔を見上げた。

本当はウソ半分。

真実半分。

お兄ちゃんが来るのは、朝、お兄ちゃんとお父さんがリビングで話しているのを廊下で聞いちゃっただけ。

お兄ちゃんに会えるって嬉しかったのはホント。

でも、待ち伏せはウソ。

あたしは、噂の人をからかいに来ただけだから。

「そうだったのか。今日はこの後も予定あるから…帰りは遅くなる。ごめんな。」

申し訳なさそうな顔で、ジッとあたしの顔を覗き込んだ。

「ヤダ…。どうせ、絢音の所に行くんでしょ?」

笑顔なんかどこかに行っちゃって。

プックリとホッペを膨らませた。

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