夏恋迷路◆だから僕らは夢を見た【短編集】


***


「僕が......花を供えるよ」


気づくと、自然と口からその言葉が出てきた。


「せっかく君と友達になれたんだ。これからは、毎日僕が君のお墓に花を供えるよ」


「......ありがとう。ねぇ、君の名前を教えて?」


君は笑った。瞳を潤ませながら。


そして、僕たちはまだお互いの名前を知らなかったことに気づく。


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