Once again…
調査報告


 頭痛がしてきた。
だって私は、こんな風に邪魔される覚えはないもの。
小栗さんが好きだから、コンビを組む私が邪魔とか…社会人としてありえない。
伝票の改竄に、嫌がらせメール。
そんな暇があったら、小栗さんとコンビを組めるように努力をすべきだったんじゃないかって思うもの。
でも今回は、取引先にも迷惑をかけることになった。
私だけだったらまだ良かったんじゃないかって思う。
だけど今回のそれは、小栗さんと大木部長にも迷惑をかけて、取引先に迷惑をかけて。
挙句に、自分の首を絞めた結果になっている。
「あー、頭痛い…」
 こめかみの辺りをぐりぐりと押す。
「藤森、頭痛か?」
 同じ班の、寺尾先輩が声をかけてきた。
男っぽいけれど、れっきとした女性だ。
「はい、ちょっと…」
「薬、使っておくか?」
「いえ、そこまでではないので」
「必要だったらすぐに言ってくれな」
「はい。ありがとうございます」
 頭をぷるっと一振りして、またPCに向かう。
それでも気分が落ちつかなくて、なんとか業務は続けたけれど集中することが出来なかった。

 大木部長が戻ってきたのは、終業時間間近のことだった。
「藤森さん、ちょっとよろしいですか?」
「あ、はい…例の件ですか?」
「はい。じゃ、ちょっとこちらへ…」
 部長について、廊下を歩く。
向かったのは、小会議室だった。
「こちらです」
「はい、失礼します」
 部長に続いて小会議室に入ると、小栗さんや経理の小美濃主任、マキさんもいて。
上座の席には社長に専務、そしてクローゼット部の小出部長、人事部の中村部長もいた。
「藤森さん、終業時間直前にお呼び立てして申し訳ない。少しお話を伺ってもいいだろうか」
「はい、もちろんです」
 そうして今回起こった伝票改竄から嫌がらせなどを、しばらくの間説明することになった。
「この後は私から説明いたします」
 そう言って話を引き継いだのは大木部長で、小栗さんが証拠のメールのコピーや伝票のコピーなどを配布し始める。
「藤森君の話から、私と小栗君で調べたのですが。ほぼこの女性のやったことだと思われます」
 そう言うと、書類を一枚取り出した。

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