Once again…
一人になってしまう恐怖


 何かあったらって…何か起こるっていうんだろうか。
とりあえず、学童は必ず迎えに行くようにすることにした。
でも、出張とか会議とか、余程の事がない限り小栗さんもついてくる。
「…だからなんでついてくるんです?」
「お前にも何があるか分からないだろ?」
「子供じゃないから…」
「でも良く考えてみろよ。男が相手だったらどうにもならないだろ?」
「じゃあ、当分は車通勤します」
「金がもったいないからやめろ」
「じゃ、タクシーで」
「余計に悪いっての」
 どうせ小栗さんが来ない日は、一人で迎えに行くんだから同じなのにと思う。
「…お前、一人の日もあるから同じだって思ってるだろ」
「…」
「ビンゴかよ…」
「何も言ってませんが…」
「…じゃ、妥協案。車を使うなら、使う駐車場は俺のスペースを使う事」
「は? 小栗さんのスペースって、社用車を置いているところでしょう?」
「いや、俺の車。時間が不規則だからな、通勤は基本的に車だよ」
「…そんなの聞いてなかったし」
「言ってねーもん」
「…でもそこを借りたら、通勤が大変なんじゃないんですか?」
「朝は綾子が俺を迎えにくればいいんじゃん?」
「…却下です」
「ケチだな。せっかく俺のスペース貸すって言ってるのに」
「何とでも言ってください」
 本音では、小栗さんといるのを見られて、これがエスカレートしたら嫌だって思ってるんだけど…あえてそこには触れないでおく。
でもその少し後に、学童の先生から来た電話で考えを変えた。

「学童の須貝です。翔太君が外遊び中に怪我をしまして…。お迎えに来ていただけますか?」

 …翔太君が外遊び中に怪我を…。
頭が真っ白になった。
まさか…その台詞だけが頭の中を廻っていく。
偶然だって思いたい。
ううん、偶然に決まってる。
仕事上の妨害とかはあっても、こんなことまでなんかするはずない。
< 31 / 65 >

この作品をシェア

pagetop