Once again…
心が折れそうで




「とりあえず、こいつは何も悪いことはしてない。それは寺尾さんや斎須さんが言ってるように、ここの部内の人なら一番判ってると思いましたけどね。俺の買い被りでしたかね」
「小栗、みんなだってこれを信じてるわけじゃない!」
「だったら! もっとこいつを信じてやってくれてもいいはずですよ!」
「小栗さん…」
「こいつは、旦那に裏切られて、子供と二人きりになった。だからこそ、必死に仕事して。会社内だけだったらよかった。けど、関係ない事件にまで巻き込まれた。もうボロボロなんですよ。なのに社内でまでそうやって疑われたら、どこに行けばいいんです?」
「もういいから…」
「良くないだろ! どこがいいんだよ!」
「…ごめん、藤森。そうだよな、俺達が一番近くで藤森の頑張りを見てたのにな。なのに疑うみたいな事言っちまって…」
「遠藤さん…いえ、いいんです。仕方のないことですから…」
「だからそうやって、仕方ないとか言うなよ!」

 小栗さんは憤りを隠せない様子で、カリカリしている。
でも、それは私を心配してくれる上での事で。

「それで小栗。アクセスしてきてたのは誰だ?」
「上村係長…。誹謗中傷の主犯は、クローゼットの松田です。松田は伝票の改竄にも係わってます。ただし、実際に伝票を差し替えたのは、経理の仙道でした」
「松田とよく一緒にいる子じゃないか」
「しかも、あまり表立って動く子じゃないわね。ある意味、松田に利用されたってところじゃないかしら?」


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