あのこになりたい

私は、兄がこのままでいいとは思わない。



だけど…

実際何か事を起こすこともなかった。



兄が私を守ってくれたように、私も兄を守るべきだろう。



何となく目を背けている私がいるのは確かだった。



だって、私に何ができる…？


父も母も何のために一緒にいるのかわからないぐらい、会話もないし関心もない。



兄が自分で気持ちの整理をつけて出て来るのを待つしかできない。



無理矢理、外に出してまた傷つくようなことになれば兄はもう二度と立ち上がれないだろう…



父や母も同じような考えからか、兄に対して見守るという形を取っている。



見守る…


それは私達にとって、都合のいい言葉なのかもしれない。