あのこになりたい
家に着いて、兄の部屋に直行した。



「私から話すから…」


若菜さんはそう言って兄の部屋に一人で入って行った。


私は部屋に戻ったけど落ち着かずウロウロ歩き回っていた。


シュンにメールした。


『若菜さん産むことに決めたよ』



すぐ返事が返って来ると思ったけど、なかなか返って来ない。


授業中かな…


ベランダに出て外を見ていると、シュンが走って来た。


「シュン!」


「部屋行っていい?」


シュンは息を切らしながら言った。


「うん!」


私は頷いた。



部屋に着くと、シュンは座り込んだ。



「メールの方が走るより早いよ?」


私が言うと、


「そうなんだけどさ…」


シュンは少し笑って言った。



「若菜さん、赤ちゃん3ヶ月だって…」


私の言葉にシュンは改めて、驚いた。



「本当なんだなぁ…。これから大変になるな…」


シュンは真剣な顔で言った。



< 169 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop