新・監禁ゲーム
ゲーム?鬼?脱出?どーいうことだ。
遥斗は今現在、自分が置かれている
状況に理解することはできず、むしろ不安感で押し潰されそうだった。
「ふ、ふ、ふざけんな!こんなくだらないことに、付き合わすな!早くここから出せよ!」
スピーカーに向かって声をあらげるが返事はなく、真っ白な室内に声が響いただけだった。
床に膝をつき、頭を抱え込んだとき、遥斗はもう1つの封筒の存在を思い出した。
自分以外に人はいないのに、まるで誰かから奪い取るように、床に無造作に置かれた封筒を取った。
乱暴に封筒を破くと、中には3つ折りにされた1枚の茶色の紙が。
ただ無心にそれを広げると、そこには地図が書かれている。
いや、地図というより、誰もが昔幼少の頃にやった迷路が書かれていた。
それと少し違うのは、スタート地点とゴール地点はあるのだが、どう探したってゴールまでたどり着かないのだ。
ゴールを囲むかのように壁があり、全て行き止まりになってしまう。
ふざけているのか、遥斗は床に叩きつけて、扉を叩いて叫んだ。
「誰か!?誰かいないか!?早くここから出してくれよ!」
すると扉はバタンと前に倒れ、遥斗も扉と一緒に正面から倒れた 。
「ッウ……何なんだよ……!?」
遥斗は目の前に広がる光景を見て、言葉を失った。
「……どこだよ、こ、ここは」
そう、遥斗の瞳に写ったのは……夜中のような薄暗い辺りを、巨大な壁がズラリと広がっていた。
そこから遥か先に見えるのは、巨大な塔。