君と恋に堕ちた事について
居酒屋の近くにあったバス停のベンチに麻実は座っていた。


オレが近づくと麻実は顔を上げた。


「大丈夫か?」

麻実は黙って首を振った。

「水でも、持ってこようか?」

「呑み過ぎたんじゃないの。ただ…」

「どうした?」

「やっぱり、ツラい。あなたの奥さんの事を聞くのは。」

「麻実ちゃん大丈夫か?」

山里がやって来た。

「ゴメンなさい。呑み過ぎたみたいだから、帰りたい。」


「分かった。送って行くよ。部長すみません。」

「いや、気を付けて。」

オレは、2人の後ろ姿を複雑な思いで見送った。
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