たった一試合、君と私の甲子園

社会人とか、世界とか、
オリンピックとか、金メダルとか、
今まで考えたこともないキーワードが
私の頭の中で混乱する。


「紗奈・・・」


「んっ？」


「私に・・・私にそれができるの・・・？」


私は覗き込むように紗奈を見た。


「当然でしょ？」


でた、紗奈の『当然でしょ。』
うそじゃないんだ・・・


「わかった、前向きに考えてみるよ。」


「うん、待ってる。
って言っても必ず引き込むけどね。」


紗奈はそう言ってニコッと笑った。



オリンピックかぁ・・・
本当に出れたらすごいなぁ・・・

オリンピックで日の丸を胸に戦い、
金メダルを取る。


カッコ良過ぎる。


これが私の夢になるかもしれない・・・


紗奈に言われて少し自分の可能性に
自信みたいなものが湧いて来た美優、
新たな目標、夢を持とうとしていた。