たった一試合、君と私の甲子園
ふと落ちているバレーボールに目が止まり拾った。


手でボールの感触を確かめる、
すると、双葉戦のサーブの時を思い出した。


ボールをくるくると回し確認し、
そしてサーブを打ち決まった時の映像に、
思わずビクッと体を震わせた。


ついさっきのこと、熱い気持ちが甦る。


私・・・あの場所で戦ってたんだ、
紗奈と双葉学園と・・・


私はボールを回転させながら宙に上げ、
落ちてくるボールを思い切り叩いた。


ボールは7メートルくらいのところで
鋭く曲がり床に落ちた。


紗奈・・・


私は抑えられない気持ちをボールにぶつけた。


「フッ・・・」


美優はフッと笑うと、今度は姿勢を正し、
『ありがとうございました!!』
そう心で言って、体育館に一礼した。


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