たった一試合、君と私の甲子園
一番からの攻撃だった神楽高校は、
一番の高崎がライト前にポテンヒット、
続く二番が送りバントをして、
三番大松がショートへの内野安打。


一死、ランナー一、三塁で
宏大に打席がまわって来た。 

宏大にとってライバルの黒沢、
かつての勝負ではほとんど抑えられている。


しかしこの場面は違った・・・


手に汗握るこの対決は宏大が
ファールで粘り第7球目!!


カキーン!!


黒沢の渾身のストレートを
宏大は見事はじき返した。
打球は大きな放物線を描いてレフトスタンドへと
吸い込まれていった。


「「「わぁぁぁぁぁー!!!」」」


9回土壇場で出た宏大の逆転スリーラン!!


球場は揺れんばかりの歓声、
その中をダイヤモンド一周する宏大は
誰よりも輝いていた。


そして北見学園に2点リードで9回裏を迎える。



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