たった一試合、君と私の甲子園
「もう、あんた達!!
やめなさい!!」


美優は二人を怒鳴り、
間に割って入った。


「私がやるんだからどいてなさい!!」


そう言って美優は
宏大からてこを取り上げた。


「なんやねんおまえ!!」


「私がやります。」


「はぁ!?」


鉄板の前に立ちはだかる美優に対し、
何も言い返せない宏大。


「ちっ!!」と舌打ちをした。


「何か?」
美優はギロッと宏大を睨む。


「なんでもありませんよぉ~」


「よろしい。」


美優は慣れた手つきで焼きそばを焼いていく、
宏大はそんな美優の手さばきを
感心するようにじっと見つめていた。


どう?
私だって料理くらいできるんだから。


そう想いながらも淡々と焼きそばを焼く美優、
実は宏大が横にいることに
胸のドキドキが止まらなかった。



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