回廊館の殺人
館への招待状
「残り5分。」

試験官の声が鉛筆の音しかしない試験会場に響き渡る。

前期中間テスト。
夏休みを直前に控えた大学生達の最後の難関である。

M大学一年生、山下 康之もテストの他の生徒と同じくテスト真っ最中だった。

「あれ?答えがでたけど選択肢にない…。
これでいいや、近いし。」

康之が最後のチェックを埋めたところで

キンコ~ンカンコ~ン♪

テストの終了を知らせるチャイムがなる。

ガタガタ

一斉に生徒が席を立つ。

「おし、終わった。
とりあえず部室に顔出しとくか。」

康之はそう呟くと席を立った。
康之は大学のミステリー研究会に所属していた。
もともとミステリー小説が好きだった康之はミステリー研究会に入ればいろいろ面白い話が読めるだろう程度の気持ちでミステリー研究会に所属していたのだった。
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