回廊館の殺人
「…でっか。」

「…立派な感じだね~。」

館の玄関の前に到着した康之と宮下が口々に呟く。

館は12角形をした一階建ての建物だった。

「でも、なんか変な形の建物だね。」

「確かに、なんか館っていうともうちょい上にでかいイメージだよな。」

平屋建ての館を見ながら二人が話していると、玄関の扉が開く。

「山下様と宮下様ですね?
お待ちしておりました。
私は回廊館の管理を行っております島村ともうします。」

扉から現れた初老の男が二人を見て深々と頭を下げる。

「あ、初めまして。」

島村の礼儀正しい態度に慌てながら宮下と康之が頭を下げる。

「ご案内いたします、どうぞ中へ。」

宮下と康之は島村に案内されて館の中へと入って行く。

館の玄関を入ると中はだんだんと狭くなる台形の形をした玄関ホールになっていた。
左右の壁と奥にひとつずつ扉が見える。

「こちらです。」

二人は島村に案内され奥の扉に入っていく。
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