Love Trip in Italy (番外編)
その後、他愛ない話をしていると…
杏花の様子が少しおかしい。
「杏花、どうした?酔ったか?」
「要……お腹空かない?」
「あっ……」
そう言えば、早めにホテルを出発したから
朝からコーヒー以外何も口にしてないな。
「じゃあ、バールにでも行くか?」
「バール?」
「あぁ。昼前にウェイターが1等室優先で注文を取りに来るんだが、俺らはその前に降りるから」
「そうなんだぁ……残念ね」
「だから時間外は“バール”っていうカウンター販売があるから、そこで軽めな物を買って来よう」
「うん!!」
俺は杏花の手を取り、揺れる車両の中バールへと向かった。
オレンジ色で統一されているバールは、
陽気なイタリアカラーを表しているようで、
杏花は“かわいいね”と喜んでいる。
俺は朝食セットを注文した。
俺はブリオッシュとエスプレッソ。
杏花はパニーニとチョコラート。