Love Trip in Italy (番外編)
そう言えば、杏花の写真はほとんどないな。
俺、全然気が付かなかったな。
これじゃあ、杏花にとって…
思い出の写真がほとんどない事になるな。
俺は暫く考え……
寝息を立てる杏花の頭をそぉーっと持ち上げ、
眠る杏花の額にキスを落とし、
――――――ピピッ。
更に角度を変え……数枚。
――――――ピピッ。
――――――――ピピッ。
そして、最後に……
桜色の小さな唇にキスを落として…。
―――――――ピピッ。
フフッ……これでOKか?
ニヤつく顔で写真を確認して。
さて、俺も寝るとするか。
シルクのように滑らかな白い肌を抱き寄せ、
甘く芳醇な百合の香りに包まれ
心地良い深い眠りについた。
アマルフィの夕日を眺め
最高の笑顔を見せた
愛しの妻・杏花を思い浮かべながら……。