Love Trip in Italy (番外編)
朝、目が覚めると杏花の姿がなかった。
俺は慌てて彼女がいたと思われる場所に手をかざす。
………まだ温かい。
急いでガウンを羽織り、リビングへ向かった。
俺らはこの旅行中、全てスィートクラスの部屋に宿泊。
別に俺的には、どんな部屋でも杏花と一緒にいられるなら構わない。
高価な物を嫌う杏花に贅沢させて遣りたくて…。
ホテル選びは拘ったつもり。
リビングへ行くと、テーブルの上に…。
「あっ、要!!もう起きたの?今、起こしに行こうと思ったのに」
「え?杏花、どうした?」
「ん?コレ?」
杏花は可愛らしく微笑んだ。
「私、イタリア語喋れないから…全部要任せだったけど、やっぱり妻らしい事したいじゃない?」
「え?」
テーブルの上には軽食と珈琲が。
「毎朝、欠かさずエスプレッソを飲むでしょ?」
「あぁ」
「だから…昨日、要が頼んでたのを覚えたの////////」
「は?」
頼んでたのを…って、いつだ?