Love Trip in Italy (番外編)
「要……覚えてる?」
「ん?」
「去年のXmas」
「ん??……あっ!!」
「うん。あの時の香水……コレ」
「杏花、ここのって知ってたのか?」
「ううん。ホテルに勤務してた時のご贔屓の奥様に、誕生日プレゼントで頂いた物だったんだけど…」
「へぇ~~」
「パッケージと看板が同じだから…」
「コレって何の香りだ?薔薇じゃないよな?」
ラベルが剥がれてて、何だか分からない。
「うん、コレ……ユリの香り」
「へぇ~薔薇より良いな」
「うん////////」
杏花は滅多な時以外香水なんて付けない。
そもそも持っていた事さえ知らなかったしな。
杏花は何度も嗅いでいる。
「杏花、欲しいか?」
「いい?」
上目使いで、覗き込んで来る。