なんでも屋 神…最終幕
遠くからヒロの名前を呼んだ、ウルフカットを赤茶色に髪を染めた男は、新しくヒロの下に付いた国見だ。



俺達には普段と同じように装っていたが、国見と舌打ちをした去り際のヒロは、何処か焦っているように見えた。



「一葉ちゃんはもう少し詳しい噂の内容を知らない?」



マコが取材モードに切り替わったのを察した俺は、小さくなっていくヒロの背中から視線を外した。



「私も、赤と青のスウェットを着てる二人組って事しか知らないんです。」



ネタを拾おうと熱心にメモを取るマコには悪いが、このネタは空振りで終わるだろうと感じていた。
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