なんでも屋 神…最終幕
漫画や映画の世界のように、気配を完全に消し去るなんて、俺に出来るはずがない。



それでも出来る限り音を立てないようにして、外壁を頼りに施設の裏手へと歩いていく。



林の中の様子を伺うように、背を外壁に付けたまま、顔の半分だけを静かに出してみる。



暗闇の中は人影か木の影か分かり辛く、前方にだけ気を巡らしてみると、数メートル先に一つの人影を見つける事が出来た。



その瞬間、ベレッタのグリップを握る両手の平にじんわりと汗が滲み出したので、もう一度しっかりとグリップを握り直す。



…見つけ出した一つの影の後ろに、一回り大きな影が動いたのを確認して、唾液を静かに飲み下した。
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