なんでも屋 神…最終幕
俺が来るのが遅すぎたと言う事だ。



何かしらの手掛かりが有れば、その二人組の男が持ち去っているだろう。



「その二人組がどんな容姿だったかなんて、覚えていませんか?」



必死に記憶の回廊を辿ろうとする橋本。



思い出そうともしていない平山は、すっかりその時の記憶が抜け落ちているみたいだ。



「…麻琴ちゃんのお兄さんだと名乗った方は、私達からの質問攻めにあっていたから、微かに覚えてるけど、手伝いだと名乗って黙々と整理していた方は、背が小さかった事ぐらいしか…。」



雷が脳天に落ちたように、思い出したくない顔が脳裏に浮かんだ。



俺が思い浮かんだ人物だとすると、小出しに出てくる点と点は、どうしても結びつかなくなる。



「兄だと名乗った方は、背がすらりと高くて、赤みがかった髪に緩いパーマをかけてたわ。それと訪れた時に、フレームまで黒いサングラスをしていたような…。」
< 240 / 447 >

この作品をシェア

pagetop