なんでも屋 神…最終幕
一口目を砂のように渇いた喉へと流し込み、陽炎がちらつく背景でタバコに火を付ける。



俺が帰国してから、マコとは疎遠になっていた。



尤も、帰国したからと言ってのこのこと顔を出しに行ける程、俺は無神経じゃない。



再会したのは、クラブドラッグの件で動き回っていた時。



マコについて俺が知っている情報なんて、高がしれてる。



一つは[バースト]の記者をしていた事。二つ目は訪れた事の無い実家の住所だけ。



その二つしか無い情報の内、一つはもう既に荒らされた後だった。



気落ちしてしまうのも無理はない。



一定の場所で太陽熱に焼かれるのも嫌気が差し、未だ半分程残っているタバコをコンビニ前の灰皿に捨て、買ったばかりの飲料水を一気に飲み干した。
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