なんでも屋 神…最終幕
部屋の電気は点けず、雨雲を追い払って顔を出した月灯りに、身体を浸していた。



真夏の高い星空は、数百年数千年の間続けられてきた、汚らしい事を見ているにも関わらず、色褪せる事無く瞬いている。



一体どうする事が最良の策なのか…。




月に問うても答えは出ず、星に聞いても何も答えてはくれない。



火を付けたタバコ…もう何本目かも覚えてはいない。



ただ刻々と、時間だけが過ぎていく。



お袋、イトさん、一葉、ノリ、マコ、黒沢一樹、神堂、そして父親…。



考えなければならない事が多すぎる。



答えの出ぬまま、何本目か分からないタバコが灰となっていた。



それを灰皿に投げ捨て、なんとなく部屋を出た。
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