なんでも屋 神…最終幕
最終幕第十七章
真っ直ぐ家に帰る気にはなれずと言うより、今直ぐお袋の顔を見れるような心境じゃなかった。



事務所のデスクに腰掛け、窓ガラス越しに入り込んでくる、メインのネオンと喧噪に身を任せる。



普段は毒々しく見えるネオンの極彩色も、蛍光灯も点けない暗がりでは、テーマパークのパレードに見えない事もない。



焦点の定まらない視点は、極彩色のネオンを背景にして、脳内の潤滑をスムーズにしてくれる。



どれ程の時間をそうやって過ごしていたのか、お陰で粗方自分のしなければならない事が見えてきた。



定まらない視点は、ドアにはめ込まれたガラス越しに、人影が漂っている所に焦点を合わせた。
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