なんでも屋 神…最終幕
「俺には何も分からない。だが千里の為に動いてくれている優香が、残された千里の家族から問い詰められるだろう。」



言葉を失ったように、次の言葉が出て来ない様子の千里が、自分の事で手一杯だった事を物語っている。



そんな千里の姿が、昔の俺とダブって見える…激しく自責の念を抱き、手一杯となって真美からのメッセージに気付けなかった。



「ヒロだって優香への思いは有るかもしれないが、千里の事には親身になってる。それが哀れみや同情なんかじゃないって事は、あの姿を見てれば千里も分かるだろ?」



[湊開発]とのトラブルを抱えているのにも関わらず、自分の仕事を放っぽりだして、慣れない人探しに奔走するヒロ。



普段のヒロが持つクールな印象は、その流れる汗で完全に消え去ってしまっている。
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