なんでも屋 神…最終幕

メインの向こう側に見える陽炎のように、千里の手元からゆらゆらと切れ端が燃えていく。



その燃えていく様子を見つめる千里の横顔は、何処か儚げで哀切を含んでいたが、それは後ろ向きな意味じゃない。



前を見たからこそ振り返る事が出来る過去。



それを思い出して、そんな表情を浮かべているのだろう。



「復讐なんてしてる時間は無いよね…。でも、どうやって見つけ出したの？」



そう…限られた時間しか生きられない人間だから、その限られた時間が短ければ短い程、復讐以外にする事が沢山有る筈。



「一応俺はプロだよ。来るか来ないか分からないメインで待つより、サラリーマンなら駅で見つける方が高確率だと思ってな。」