子供+大人=恋?の方程式(応用編)





 最後の方は段々と声が小さくなっていくあゆ。


 声の大きさと同じように、あゆはどんどんと項垂れていく。


 だけど、俺にはあゆを気遣ってやる気持ちなんて全くなかった。


「俺は茅乃だから、付き合ってるわけ。それを、あゆに理解してもらおうとも思わないし、そもそも付き合うことに理由って必要か? 好きだから付き合ってるに決まってるだろ?」


「そ、それはそうだけど…。あゆが聞きたいのは、どうして圭史くんは高校一年生の彼女と付き合ってるのかって…。大学生の圭史くんの周りには、もっと大人で綺麗な女性がいるんじゃないの? わざわざ高校生であるあの子を選ぶ理由が知りたいの。でないと、あゆは納得できないもん。ずっと、圭史くんの彼女は大学生で、高校生である自分が圭史くんの彼女になれることないかもしれないって思ってて………。なのに、圭史くんの彼女があゆよりも年下の高校一年生だなんて………」





 言うつもりなんて、全くなかった。


 あゆに言う必要も、義務なんてものもないのはわかってた。


 だけど―――…





 信号が青に変わり、俺はアクセルを踏む。


 それと同時に、あゆへと向けていた視線は前へと戻す。


「―――茅乃は、いつもまっすぐだからな」


「―――え…?」


「俺の周りに群がってくる奴らは、何かと俺に媚びてくる。だけど、茅乃は俺が悪ければ、悪いとはっきりと言ってくるし、何より……飾らないところが、俺は気に入ってるんだよ」


「飾らないところ……」


「俺に暴言吐くし、俺の顔見てあからさまに嫌そうな顔をしてきたり、逃げ出したり…」





 言いながら、茅乃の数々の行動を思い出していると、自然と笑みが浮かんできた。


 あいつの行動は、恐ろしいほどに俺のツボを刺激してくる。


 見てて飽きないというか、なんというか―――…





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