俺にしとけよ。

受話器を置くのもそこそこに、

飛ぶように家を出た。

何かあったのか。

月菜に異常があったのか。

頼む、生きててくれよ。

さっきまで自分も死のうとしていたくせに。

急に世界が現実味を帯びたように、

真っ暗になった。

まさかな。

死んでたりしないよな?
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