ヤンキー王子とラブレッスン②【完】
「あ、愛ちゃん。
心優ちゃん、ケータイ持ってないよ。
かけるなら家になるけど、それでも聞きたい?」


楓ちゃんが……無邪気な笑顔で、暴露した。


シーンとなるテーブル。


その沈黙を破ったのは……。


「ケータイを持ってないのは、不便だな。
このまま、ド下手の青柳心優を野放しにするのは、音楽に対する冒涜だ」


音もなくナイフとフォークを動かす玲央くん。


そして玲央くんは、あたしを見ることなく口を動かした。


「よし、来週の桜花でのレッスン時に届けてやろう」
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