アーティクル
「はい、コレ」

 振り向き様に賢司に手渡された切符は、鋭利な刃物のようだった。

「あなたの切符よ」

 賢司には倫子が眩しすぎて、何も言えなくなってしまった。

「どうしたの?」

 倫子は賢司の顔を覗き込んだが、賢司は目を合わすことが出来ず、赤くなって、瞼を急いで閉じた。

「変な子ね」

 倫子は切符を手渡すと、再び、丸いお尻を、賢司に差し出した。
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