誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
“そろそろ、時間だよ”

空間に声がひびく。

「もう、時間みたいね。」

「ああ、そうじゃな。蝶。おぬしが元気そうでわしらは安心した。土方さんのもとで幸せにな。」

「うん!!!」

蝶は涙目で頷く。

「これを。」

そうして瑠璃様がそっと蝶になにかを手渡す。

「結婚のお祝いよ。土方さん、この子をよろしくお願いします」

「はい。」

そしてあたりが薄れる。

そのまま俺らはゆっくりと現実に戻ってきた。

目を開けるといつもの部屋だった。

「蝶?」

腕のなかの蝶を見ると涙をこぼしながら微笑んでいた。

「久しぶりにあえてうれしかった。土方さんありがとう・・・・」

俺はなにも言わず抱きしめる。

「お母さまにね、言われたの。現代で生きているのとそちらで生きているのどちらが楽しいって。」

「ああ。」

「私はね、現代も楽しいけどこっちの時代のほうが楽しいって答えたの。だって、いとしい人の傍にいるのが一番楽しいから。」

そう言って俺をみて微笑む。

「瑠璃様から何をもらったんだ?」

「ネックレスっていうのよ。首飾り。」

見るときらきらと桜の花が輝いていた。

「ああ。蝶によく似合うな。」

「ありがとう。」

そして、俺らはそのまま布団で夢について話していた。

その間蝶はずっと嬉しそうに微笑んでいた。

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