誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
「ったく。その言い方だと俺が先に死ぬみてえじゃねえかよ。」

「ふふっ、そうですね。」

蝶はごしごしと涙を拭う。

だけど

きっと、こいつもいつもこんなことを胸に秘めているのだろう。

「心配するな。俺はお前を残して逝ったりしねえ。」

「はい。」

そしてそっと俺は蝶の手を握る。

「いつも、お前に心配かけちまってすまねえな。」

「土方さん?」

「お前は余計に心配しょうだからな。だけど、俺はお前を残して死んだりはしねえよ。俺がお前の最後をみとってやる。だから、安心してお前は俺の側で笑ってろ。」

「っ・・・・最高な最後ですね。」

涙を流しながら微笑む。

「ああ。そして、俺がまたお前と巡り合ったらお前に思い出させてやるよ。すべてをな。」

蝶を抱き寄せる。

「はい。でも、私は死んでも土方さんを忘れらません。」

「ああ。忘れるんじゃねえぞ。」

こんな時代に生きている俺らだからこそ

こういう風に思いあえるのだろう。

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