ハスキーボイスで酔わせて


「…」

「…」



沈黙が流れる車内の空気。



ーー怒ってんのかなぁ、彩。



運転しながら横目で彩をチラリ。

窓の外の景色に見とれているのか、
はたまた俺と話をしたくないのか、ずっと黙り込んだままだ。




迎えに行くために早めに旅館を出たのがマズかったかな、こりゃ…。



せっかくの旅行がこのままでは最悪な思い出に変わってしまう。




「あ、何か腹減らない?もう昼過ぎてるしどっかで飯食おうか」




とりあえず今の空気から何とか打破しなければ!と、半ば強引に提案する俺。


< 248 / 316 >

この作品をシェア

pagetop