ハスキーボイスで酔わせて


沈みゆく太陽を共に眺めながら、

ゆっくりと流れる二人だけの時間に浸かる。



誰にも邪魔されない二人だけの……。




ーー♪♪♪♪


その時、彩の服のポケットに入っていた携帯が鳴り出した。




「あ…」

「着信だろ?出た方がいい」




鳴り続く携帯に彩が戸惑う。

だが、俺はそのまま抱きしめたまま言った。



ーー彩との大事な時間を邪魔するヤツは誰だっ。



なーんて心の中じゃ余裕なかったり。





「もしもし、お母さん?うん、どうしたの?」

< 257 / 316 >

この作品をシェア

pagetop