お握りに愛を込めて
こうやって、彼氏の名前を連呼して幸せそうな顔してるさとみを見たら、恋したいなぁって思うこともあるけど、

だけど、相手いないし?



家と学校を往復している毎日で、出会いなんて転がってない。



ドラマのように、ある日突然……


なんて所詮、ドラマであって現実では、ほぼ無いに等しい。


あったって、そんなイケメンくんとの出会いなんてないでしょ?


そもそも、イケメンって何?
どんなのをイケメンって言うの?


イケメン、イケメン、イケメン……


ふっと浮かんだのは、


『ラーメン、つけ麺、ぼく、イケメ〜ン!』

って言ってるお笑い芸人



いかん、いかん。

あれは、違う!
絶対、絶〜対、イケメンではない!


こんな想像しかできない自分の脳内、大丈夫?



「ね、聞いてる?」

さとみの声にはたと気付いて、彼女を見ると、プウッと頬っぺたを膨らましご立腹の様子。


「は?何が?」

イケメンの想像していて、気付いたら、お笑い芸人想像してたの。

ごめん、聞いてなくて。

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