初恋はレンタル彼氏
「あ…」

「あ!」


廊下の突き当たりの壁に、数人の男子がたまってる。

そのなかには、玲と吉田くんの姿が…


私と未夢は二人の姿を発見して、二人同時に声を出してしまった…




若干照れながら、玲から目を遠ざけて歩く私。



「莉緒」



すると、私に気づいた玲が話しかけてきた。




「どこ行くの?」


私と未夢に近づく玲。



「あ…美術室。次、私たち美術選択してるから…」

「そっか。気を付けろよ」

「大丈夫だよ」

「じゃ」


玲はそう言って、未夢に軽く頭を下げたあと、男子たちのもとに戻って行った。





「い、行こ…」


再び未夢と歩き出す私。




「漆原くんに、ちょー愛されてんね?」

「そ、そんなことっ」

「美術室に行くだけで“気を付けろ”なんて…普通言う?」

「は、はは」


確かにね。

今の会話はおかしいよね。
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