初恋はレンタル彼氏

シンジツ

カチ

カチカチ


静まり返った教室。

時計の針が動く音。

カリカリとシャーペンで字を書く音。


玲とのレンタル関係が延長したあの日から、早くも1週間くらい経ち、今日は期末テスト最終日。

私は回答を適当に埋めたあと、ぼんやりと考え事をしていた。



考えることは、もちろん玲のこと。

あの日から玲との関係は、変わらずに続いている。


あのドーナツ店で、レンタルを延長したあと、玲は一言こう言った。



『秘密を話すのは、テストが終わってからな…』


だから、延長をしたあとも…私は玲の秘密をまだ知らない。



秘密ってなんなの?

秘密を知ったらどうなるの?


私はここ最近、そればかり考えていた。




キーンコーン

カーンコーン


「はい、終了。後ろから集めて~」


最後のテスト終了。

やるだけやったからいいや。

テストより、大事なことはいっぱいある…





「今日はこれで下校ね。明日からまた通常授業だから」


担任がそう言って、教室から出ていった。
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