初恋はレンタル彼氏
「疲れたぁ…」


歩きながら力ない声を出し、体操着が入ったショップ袋をブラブラと振り回す。




「お前声枯れてんな。大丈夫か?」


玲が携帯をいじる手を止めて、私の顔を覗く。



「そお?」

「…うん。あんま無理すんなよ」

「大丈夫だよ」


私がそう言うと、玲は再び携帯をいじり始める。



メールかな?

もしかして、愛梨と…?



胸がズキッと痛む。







「先輩さようなら」




すると、後ろから数人の一年生の女子が、挨拶しながら私たちを追い越していく。

私は「さ、さよなら」と小声で言った。




「きゃ♪漆原先輩と高坂先輩、一緒に帰ってるっ」

「やっぱり二人が付き合ってるって噂は、本当だったんだね」

「お似合いのカップルだよね~」

「バカッ聞こえるって!」



聞こえたよ………(////)
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