千の夜をあなたと【完】



冗談なのか、本気なのか……。


けれどイーヴは真剣な瞳でレティを覗き込み、言った。


『『好き』でもいい。……お前の気持ちを、俺は知りたい』

『イーヴ……』

『さあ、言いなよ。一度でいいから……』


色を帯びた切ない瞳がレティをじっと見つめる。

レティは茫洋とした頭でイーヴを見つめていた。


イーヴへの恋心は胸にあるのに、いざ言葉にしようとしてもなかなか言葉にならない。

一度でも言ってしまったら、自分とイーヴは戻れない道に進んでしまう。

一緒に居たいと形振り構わず縋りつきたくなってしまう。

――――そんな気がした。


『あ、はぁ、……ああっ……』

『ほら、言って、レティ?』

『……イ、イーヴ……ぁあっ……』


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