涙桜
そして俺は力いっぱい抱きしめる。

「え?」

瑞樹が驚いた声を上げる。

「すまねえな。おそくなっちまって」

「土方さん・・・・?」

「約束通り、迎えに来たぞ。」

「うそ・・・・」

「本当だ。寂しい思いさせちまって悪かった。」

「遅いよ・・・・・」

私は土方さんをぎゅうっと抱きしめる。

「だけど迎えにきただろ?」

「うん・・・・」

これは一夜の夢なのでしょうか?

きっと、違う。

やっと私たちは巡り合えたのだ。

この桜の木の下で。

「もう、忘れたら嫌だよ・・・・?」

すると土方さんは優しく微笑む。

「ああ。忘れねえよ。」

「約束ね!!」

私は涙を流しながら微笑む。

ああ、時を超えた恋の結末は

甘く、切なく優しい恋でした。

お願い。

もう、2度とあなたと離れませんように。







~Fin~
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