変わった同居人
「……だから、樫木君のことが気になった。」
腕の束縛を解放し、私に教えてくれる。
「……か、樫木とは付き合ってないです。」
つっかえながらも声をなんとか絞り出す。
「樫木君には悪いけど…そうか。なら良かった。」
淡島さんの思いがけない言葉に一々私の心が反応する。
「……こんな年上の俺でもチャンスあるか?」
こぼれ日によって見える少し耳が赤い淡島さんを見て夢でも冗談でもないのだと知る。
意識してしまうと…自分にも伝染してしまった。
頬が熱い。
顔を見られたくなくて、俯いたままコクリと私は頷いた。