ペーパースカイ【完結】
〈c〉苺:フライング・ピクニック
『Re:輪子ちん★わんばんこ(⌒▽⌒)

ありがとー苺!

でも意外と大丈夫だから、心配しないでね!!

もうすぐ会社にも復帰するし、しっかりしなきゃね!!

がんばるよ!!!(^v^)』

輪子からの返信。

昔からの事だけど、輪子は元気がない時ほどメールに『!』マークが増えるんだ。

たぶん、本人は気づいていないんだろうけど…。

「どした?」

携帯を開いたまま、仰向けでため息をついたあたし。

「うーん…輪子が…」

「やっぱまだ無理なんじゃん今は。

きつい時期越えるにはフライングだろ。ちょっと早すぎじゃね?」

そう言葉をかぶせて来たのは、あたしの隣り、寝そべって肘をついて

こっちを見てる幸太。

あたしの、彼氏。

つき合いだして、四ヶ月弱くらい。

バイト先のデパートの同じフロアにある、別ショップで働いてる子。

幸太はそこで時計を売ってる。

あたしはそこでアクセを売ってる。

休憩時間によく喋るうちに、お互い好きになった。

三つ年下の、十九歳。

さっきみたいに急にちょっと悟ったよーな事を言ったかと思えば、

仕事のミスで先輩に怒られた、とかって言いながら、子供みたいに甘えて来たりもする。

まだ、よくわからない存在。

だからこそ、もっともっと知りたい存在。
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