金色の師弟
唐突に大声をあげられ、カトルは目を丸くする。

それに気付いたルイは、申し訳なさそうに目を逸らした。

「あ、ごめんなさい……」

「別に気にしないから、ね?」

肩を落としながら座り込むルイ。

カトルは苦笑して手を振ってみせ、ルイは安心したように息を吐いた。

「……私、あの人に、追いつきたいんです」

「そうだね。それは見ているとわかるよ」

空色の瞳はいつも真っ直ぐにアデルの背中を見つめている。

そのひた向きさのおかげで、大陸一の名を受け継ぐのは彼女であろうと噂されている。

そもそも、ルイはそのようなことを知りはしないのだが。

こんなものは可能性の話であり、アデルがそう易々とその名を奪われるとは思えないが。

カトルにも、ルイがアデルに追い付きたいと願う気持ちはよくわかった。
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