金色の師弟
「私は、淋しい」
「……何だか、随分と大胆になったものだな?」
アデルは首を傾げ、不敵に微笑んだ。
そして、ベッドに手を置くと身体を起こしてルイへと顔を近付ける。
ルイはゆっくりと近づくアデルに思わず目を閉じると、唇を軽く奪われた。
「離れるのは淋しいが、これからを思うと楽しみでもあるんだ」
「え?」
鼻先が触れる程の距離で見つめ合う。
満足気に細められた金色の瞳の中では、金糸の髪の少女が不安げに瞳を震わせている。
「頻繁には会えないが、これからは恋人同士だろう?」
「……はい」
恋人同士という慣れない言葉に戸惑いつつも、ルイは大きく頷いた。
「会うたびに、思い切り愛してやるから」
「……出来れば、お手柔らかにお願いします」
アデルの思い切りは、ルイには刺激が強そうだ。
困った様子のルイへ、アデルは鼻先をくっつけた。
そして、顔の角度を変えて再びキスをする。
そう、残された穏やかな時間は多くない。
残りは未来に期待するだけ。